会計ソフトはfreee・マネーフォワードではなく弥生にした——法人1期目、税理士なし・ソフト代21,582円で決算まで終えた記録
結論
法人1期目の会計ソフト代は、21,582円で済みました。 内訳は、記帳が弥生会計 Next(申し込んだ2025年時点の初年度無料キャンペーンを使ったため0円。同じキャンペーンが今もあるかは公式サイトで確認してください)、法人税の申告書作成が全力法人税の有料版(21,582円・税込)です。税理士とは契約していません。
freee会計とマネーフォワードクラウド会計も、選ぶ前にそれぞれ約1ヶ月、無料トライアルで触りました。それでも弥生にしたのは、妻と2人で記帳を回すと料金の並びが変わったからと、記帳ソフト単体では法人税の申告書が出せないと分かったからの2点です。この2つは、料金表の一番上の数字だけを見比べていたときには見えていませんでした。
2期目からは、現在の料金のままなら年49,280円(弥生38,280円+全力法人税11,000円、いずれも税込)の見込みです。弥生の2年目分はすでに支払っていますが、全力法人税の2期目分はこれからです。この金額で何ができて何ができないかを、以下に全部書きます。
僕の状況
会社員(メーカーの研究職)をしながら、2025年前半に資産保有法人を設立し、アパート2棟を法人名義で保有・運営しています。宅地建物取引士の資格は持っていますが、宅建業者ではありません。決算期は8月末で、1期目(設立〜2025年8月末)の決算・申告作業は2025年9月から10月にかけて行いました。
- 仕訳の件数: 月10〜20件
- 取引の中身: 家賃収入、管理会社への委託料、ローンの元利返済、建物の減価償却
- 決算書作成にかかった延べ時間: 約20時間(記帳の見直しを含む)
- 記帳の担当: 妻(複式簿記に抵抗がない)と僕の分担
不動産賃貸業の一人法人は、取引の種類が少なく、毎月ほぼ同じ仕訳が並ぶという特徴があります。一般的な事業法人とは前提が違うので、ここから先の話は「月10〜20件・2人で回す・不動産賃貸業」という条件付きの結論として読んでください。件数や業種が違えば、同じ表を見ても答えは変わります。
なお、法人設立の手続き自体も弥生の「弥生のかんたん会社設立」を使っています。会計ソフトを弥生で揃えた背景には、この流れもあります。
3社を並べて比べた
freee会計とマネーフォワードクラウド会計は、2025年に約1ヶ月ずつ無料トライアルで触っただけで、本番の記帳・決算・申告には使っていません。以下の使用感は、その時点での僕と妻の所感です。両サービスとも仕様は継続的に更新されているため、現在の画面や機能は各公式サイトで確認してください。弥生会計 Next の列だけが、1期を通して本番で使った一次情報です。
使い勝手の比較
| 項目 | freee会計 | マネーフォワードクラウド会計 | 弥生会計 Next |
|---|---|---|---|
| うちでの使用区分 | 約1ヶ月のトライアルのみ | 約1ヶ月のトライアルのみ | 1期を通して本番運用 |
| 入力方式 | 質問形式のガイド入力。簿記の知識がなくても迷いにくい設計 | 標準的な複式簿記に近い入力画面 | 仕訳日記帳・振替伝票に直接入力(実際に使ったのはこれ) |
| 銀行・カードの自動連携 | あり(トライアルでは本格運用せず) | あり(トライアルでは本格運用せず) | あり。スマート取引取込を1期通して使用 |
| データの持ち方 | トライアル時は独自寄りの構造に感じた(エクスポート機能や税理士連携の実際は検証していない、2025年時点の印象) | 標準的な複式簿記の形式に近く、汎用性を感じた | 標準的な複式簿記の形式。仕訳帳・総勘定元帳をそのまま出せる |
| サポートの利用 | — | — | 一度も使っていない(電話サポートのないプランを契約) |
| 記帳担当(妻)の評価 | 直感的だが、複式簿記に抵抗がない人には手数が多く感じた | 違和感なく操作できた | 違和感なく操作できた。振替伝票をそのまま打てるのが速い |
freeeは「簿記を知らない人が迷わないこと」に最適化されているぶん、簿記が分かる人が使うと工程が一つ増えたように感じました。逆に言えば、記帳する人が簿記を知らないなら、この設計は強い武器になります。 うちは妻が複式簿記を打てたので、この長所を使い切れませんでした。
マネーフォワードは標準的な複式簿記に近く、妻の評価も弥生と並びでした。使い勝手だけで言えば、マネーフォワードと弥生のどちらでも運用は回せたと思います。分かれ目になったのは、次の料金表です。
料金の比較(2026年9月5日時点・各公式サイト)
料金は改定されます。以下は2026年9月5日に各社の公式サイトで確認した金額で、申し込む前に必ず最新の金額を公式サイトで確認してください。3社の掲載額はいずれも税抜、僕の実支払額だけが税込なので、比べるときは行ごとの表記を確認してください。
| freee会計 | マネーフォワードクラウド会計 | 弥生会計 Next | |
|---|---|---|---|
| 一人法人向けの最小プラン | ひとり法人プラン | ひとり法人プラン | エントリープラン |
| 年額(年払い・税抜) | 35,760円(月2,980円) | 29,760円(月2,480円) | 34,800円(月あたり2,900円) |
| 無料で触れる期間 | 30日間 | 1ヶ月 | 最大2ヶ月(無料体験。僕が使った初年度無料キャンペーンとは別枠) |
| 含まれる人数 | 1人 | 1名まで | 会計機能3名まで |
| 2人目を足すと | 年払い時 1人あたり月1,000円(最大2人まで) | ひとり法人プランは利用者1名の場合のみ契約可 | 3名までは追加料金なし |
| 主な制限 | 記帳特化のミニマムプラン(経費精算などは対象外) | 1会計年度に登録できる仕訳は500件まで | — |
| 僕の実支払額 | 0円(トライアルのみ) | 0円(トライアルのみ) | 初年度0円(2025年時点のキャンペーン適用)→ 2年目 38,280円(税込・支払済み)。3年目以降は掲載額のままなら同額の見込み |
ここが今回いちばん効いた比較です。「一人法人向けの最安プラン」で並べると3社は3万円前後で団子ですが、記帳する人がもう1人いると並びが変わります。
- freee: 35,760円 + 2人目 12,000円(月1,000円×12)= 年47,760円(税抜)
- マネーフォワード: ひとり法人プランは利用者1名の場合のみ契約可のため、2人で触るならスモールビジネスプラン(年53,760円・税抜、アカウント3名まで)が視野に入る
- 弥生会計 Next: エントリープランのまま 年34,800円(税抜)。会計機能は3名まで追加料金なし
うちは妻が記帳、僕が決算・申告という分担なので、最初から2アカウント前提でした。この前提を料金表に持ち込んだ時点で、弥生が一番安くなりました。
もう一つ、マネーフォワードのひとり法人プランには「1会計年度に登録できる仕訳は500件まで」という上限があります。うちは月10〜20件なので年120〜240件、上限には当たりません。自分の年間仕訳件数を数えてから料金表を見ると、上位プランが必要かどうかを自分で判断できます。 僕は1期目の記帳を始める前に、通帳の明細を数えてこの見積もりを立てました。
弥生を選んだ理由をまとめると、次の3つです。
- 3名まで追加料金がかからない。 妻と2人で触る前提だと、実質の年額が3社で一番安かった
- 入力画面が標準的な複式簿記だった。 記帳を担当する妻に合っていた。仕訳日記帳と振替伝票をそのまま打てる
- 申し込んだ2025年時点の初年度無料キャンペーンで、1期目の会計ソフト代が0円になった。 1期目に払ったソフト代は、後述する全力法人税の21,582円だけです(キャンペーンの内容・実施の有無は時期によって変わります)
なお「弥生は税理士事務所での導入実績が多い」という情報も判断材料の一つにしましたが、この点について僕は数値の裏付けを取れていません。 将来税理士に依頼する可能性を考えて、対応してもらいやすそうなソフトを選んでおきたかった、という僕の主観的な判断です。
弥生会計 Next(エントリープラン) 僕が1期目の記帳に使ったプラン。最大2ヶ月の無料体験があるので、自分の通帳の明細を実際に取り込んでから決めるのが安全だと思います。料金・キャンペーンの最新情報は公式サイトで確認してください。
記帳ソフトだけでは、法人税の申告書は出ません
契約前にいちばん誤解していたのがここです。会計ソフトで作れるのは決算書(貸借対照表・損益計算書など)までで、税務署に出す法人税の申告書は別のソフトが要ります。
僕は全力法人税の有料版を使いました。1期目に実際に払った金額と、公式サイトに掲載されている2年目以降の金額は次のとおりです。
| 金額(税込) | 税抜 | |
|---|---|---|
| 初年度(1期目の申告・僕の実支払額) | 21,582円 | 19,620円 |
| 2年目以降(2026年9月5日時点の公式掲載額。2期目の申告はこれからなので、僕はまだ支払っていません) | 11,000円 | 10,000円 |
無料の範囲でも入力と試算はできますが、申告書類の出力や電子申告用ファイルの出力には支払いが必要でした。決算月になってから知ると慌てるので、記帳ソフトを契約する時点で「申告書は何で作るか」まで決めておくことをおすすめします。
弥生会計 Next で作った決算書の数字を全力法人税に入れて申告書を作る、という流れで1期目を終えました。かかった時間は、記帳の見直しを含めて延べ約20時間です。仕訳が月10〜20件・取引の種類が少ない不動産賃貸業という条件での時間なので、業種や件数が変われば大きく変わります。
税務の判断についても2つ書いておきます。
- 消費税: 法人1期目は原則として基準期間がなく免税事業者になります(資本金の額などの例外要件に該当する場合や、インボイス(適格請求書発行事業者)の登録をした場合を除く)。僕はこの判定を確認したうえで、消費税の申告はしていません。判定の根拠は国税庁タックスアンサー No.6501「納税義務の免除」です。要件は法人ごとに違うので、実際の判定は必ず所轄税務署または税理士に確認してください
- 償却資産税: 1期目は設備・構築物などの償却資産に該当する資産がなかったため、申告は不要でした。この判断も税理士を通さず、市区町村の窓口で確認しています。償却資産税の取り扱いは自治体によって異なるため、必ずご自身の所在地の市区町村に確認してください。建物本体は、売買契約書に記載された価格をもとに減価償却しています
全力法人税 記帳ソフトで作った決算書から法人税の申告書を作るソフト。入力と試算までは無料で試せるので、決算月が来る前に一度自分の数字を入れてみると、申告までの工程が見えます。料金は改定されるため、支払う前に公式サイトで確認してください。
僕が使った判断基準
3社を比べる過程で立てた基準を、読者が自分の条件に当てはめられる形に一般化します。「あなたはこれを選ぶべき」という話ではありません。 僕の条件では、次の順番で見ると答えが早く出ました。
1. 記帳する人の簿記知識で、入力方式を先に決める
簿記が分かる人が記帳するなら、標準的な複式簿記の入力画面(マネーフォワード・弥生)のほうが手数が少なくなりました。逆に、記帳する人が簿記を知らないなら、質問形式のガイド入力(freee)の価値が上がります。僕の場合、ここを最初に決めておいたことで、毎月の記帳にかかる時間が短く済みました。
2. 「触る人数」を料金表に持ち込む
一人法人向けの最安プランは3社とも3万円前後ですが、2人目を足した瞬間に差が開きました(前掲の表)。夫婦や家族でバックオフィスを分担するなら、1人分の料金だけで比べないほうが、後で計算が狂いません。
3. 自分の年間仕訳件数を先に数える
仕訳件数の上限や従量課金は、プラン選択の分かれ目になります。自分の件数を先に数えておけば、上位プランが自分に必要かどうかを自分で判断できます。 僕は通帳の明細から年120〜240件と見積もり、上限500件のプランで足りると判断しました。
4. 申告書まで作る前提で、組み合わせで見積もる
記帳ソフト単体では申告書は出ません。税理士に頼まないなら「記帳ソフト+申告書作成ソフト」の合計で予算を立てるのが実際的です。うちの場合は次のとおりでした。
- 1期目: 0円(弥生・初年度無料)+ 21,582円(全力法人税)= 21,582円
- 2期目以降: 38,280円 + 11,000円 = 年49,280円(現在の料金のままだった場合の見込み)
途中で乗り換えるコストも見ておく
僕は1期目の記帳を最初から弥生で始めたので、期の途中での乗り換えは経験していません。ただ、選定の段階で「後から替えるなら、残高と仕訳をどう引き継ぐか」を考えたことが、標準的な複式簿記の形式に近いソフトを選ぶ理由になりました。無料体験の期間に自分の通帳を実際に連携させて、1ヶ月分の仕訳を入れてから決める——これが、乗り換えコストを払わずに済ませるいちばん確実な方法だと思います。3社とも無料で試せます(2026年9月5日時点で、freee 30日間・マネーフォワード1ヶ月・弥生会計 Next 最大2ヶ月)。なお、この無料体験と、僕が2025年に使った初年度無料キャンペーンは別枠です。現在どちらが適用できるかは公式サイトで確認してください。
法人の取引内容や規模、記帳を担当する人の簿記知識によって、最適な組み合わせは変わります。この基準は、一人法人・不動産賃貸業・仕訳が月10〜20件・記帳を2人で分担という僕の条件での判断材料として使ってください。
使ったサービス
- 弥生会計 Next(エントリープラン) — 1期目の記帳に使用。会計機能3名まで追加料金なし。最大2ヶ月の無料体験あり(2026年9月5日時点)
- 全力法人税(有料版) — 法人税申告書の作成に使用。1期目 21,582円(税込・僕の実支払額)、2年目以降 11,000円(税込・2026年9月5日時点の公式掲載額。2期目の申告はこれからです)
関連記事(note)
- 税理士報酬ゼロ円で法人決算。簿記2級の妻と二人三脚で回す、共働き大家のバックオフィス戦略 — ソフトの比較ではなく、誰がどこを担当して1期目を回したかを書いています。この記事の「妻が記帳、僕が決算・申告」という分担の中身は、そちらに詳しくあります
料金・プラン・キャンペーンはいずれも改定されます。申し込み前に各公式サイトで最新の内容を確認してください。本記事の税務に関する記述は僕自身の判断と実務の記録であり、個別の税務判断については所轄税務署または税理士にご相談ください。